日经社説 20150323 夏までに実現したい日中韓の首脳会談
2015-03-23 09:57
85 查看
歴史認識や領土をめぐる対立は根深い。しかし、それが障害となって会談すらできないという異常な事態からは、ひとまず抜け出そうとしている。
約3年ぶりに3カ国の外相会談を開いた日本と中国、韓国の関係は、こんな状況といえるだろう。関係の修復にはなお遠いが、外相が一堂に会する枠組みが復活したことは成果といえる。
会談では「最も早期で都合のよい時期」に、3カ国の首脳会談の実現をめざすことで一致した。今年が戦後70年であることを考えると、首脳会談は夏までに開くことが望ましい。8月以降には歴史問題をめぐるさまざまな動きが想定されるからだ。
8月には安倍晋三首相が戦後70年の談話を発表する。9月3日には中国が「抗日戦争勝利」を祝う大式典を開く。中国は同時に、大がかりな軍事パレードも予定している。こうした節目では、それぞれのナショナリズムが刺激され、緊張が高まりかねない。
それは日本にとってはもちろん、内政の安定に努める中韓にも望ましくないはずだ。
だとすれば、夏までに首脳会談を開き、3カ国の緊張や不信感を少しでも和らげてから一連の行事を迎えるべきだ。歴史問題で安倍首相は慎重に対応し、積極的に地ならしに努めてもらいたい。中韓にも歩み寄りを促したい。
歴史問題をすぐに解決できる即効薬はない。日中、日韓、3カ国のいずれの外相会談でも、この問題が提起された。日本と中韓には領土の対立も横たわっている。
では、どうすればよいか。大事なことは、互いに恩恵を受けやすい経済や環境、テロ・サイバー対策などの協力を進め「歴史・領土」対立が関係全体に占める比重を減らしていくことだ。若者や文化の交流もその柱といえる。
その意味で、3カ国が今回まとめた共同文書はよい足場になる。日中韓自由貿易協定(FTA)の早期妥結や、防災、環境分野の協力をかかげた。テロ対策、アフリカ、中東政策をめぐる協議の再開や新設も決まった。
中国は韓国との個別の会談で、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を促したという。中国には韓国を自分の側に引き寄せ、日米との間にくさびを打ちたい思惑もあるだろう。日中韓に合わせ、日米韓の政策の擦り合わせも重要だ。
約3年ぶりに3カ国の外相会談を開いた日本と中国、韓国の関係は、こんな状況といえるだろう。関係の修復にはなお遠いが、外相が一堂に会する枠組みが復活したことは成果といえる。
会談では「最も早期で都合のよい時期」に、3カ国の首脳会談の実現をめざすことで一致した。今年が戦後70年であることを考えると、首脳会談は夏までに開くことが望ましい。8月以降には歴史問題をめぐるさまざまな動きが想定されるからだ。
8月には安倍晋三首相が戦後70年の談話を発表する。9月3日には中国が「抗日戦争勝利」を祝う大式典を開く。中国は同時に、大がかりな軍事パレードも予定している。こうした節目では、それぞれのナショナリズムが刺激され、緊張が高まりかねない。
それは日本にとってはもちろん、内政の安定に努める中韓にも望ましくないはずだ。
だとすれば、夏までに首脳会談を開き、3カ国の緊張や不信感を少しでも和らげてから一連の行事を迎えるべきだ。歴史問題で安倍首相は慎重に対応し、積極的に地ならしに努めてもらいたい。中韓にも歩み寄りを促したい。
歴史問題をすぐに解決できる即効薬はない。日中、日韓、3カ国のいずれの外相会談でも、この問題が提起された。日本と中韓には領土の対立も横たわっている。
では、どうすればよいか。大事なことは、互いに恩恵を受けやすい経済や環境、テロ・サイバー対策などの協力を進め「歴史・領土」対立が関係全体に占める比重を減らしていくことだ。若者や文化の交流もその柱といえる。
その意味で、3カ国が今回まとめた共同文書はよい足場になる。日中韓自由貿易協定(FTA)の早期妥結や、防災、環境分野の協力をかかげた。テロ対策、アフリカ、中東政策をめぐる協議の再開や新設も決まった。
中国は韓国との個別の会談で、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を促したという。中国には韓国を自分の側に引き寄せ、日米との間にくさびを打ちたい思惑もあるだろう。日中韓に合わせ、日米韓の政策の擦り合わせも重要だ。
相关文章推荐
- 日经社説 20141216 勝利の勢いを政策実現につなげよ
- 日经社説 20150302 継続的な賃上げを実現するために
- 日经社説 20150323 卸売市場の抜本改革を急げ
- 日经社説 20141222 起業を妨げぬファンド規制に
- 日经社説 20150101 戦後70年の統治のかたちづくりを
- 日经社説 20150113 3年目の原子力規制委に改めて問う
- 日经社説 20150121 「イスラム国」の卑劣な脅迫は許されない
- 日经社説 20150129 「痛み」を伴う年金改革から目をそらすな
- 日经社説 20150207 光回線開放で新事業の創出を
- 日经社説 20150217 民需主導の自律回復うながす構造改革を
- 日经社説 20150226 内外に誤解を生まない戦後70年談話に
- 日经社説 20150307 将来を見据えた着実な年金抑制が必要だ
- 日经社説 20150316 医療の効率化へ試される都道府県の力量
- 社説 20150323 国連防災会議 「仙台枠組み」で被害の抑制を
- 日经社説 20150331 人口減見据えた国土計画に
- 日经社説 20150407 電源構成は将来を見据えて議論せよ
- 日经社説 20150416 減速が鮮明なニューノーマルの中国景気
- 日经社説 20150425 安保法制で何が変わるか具体的に説明を
- 日经社説 20150506 建設人材の確保は多角的に
- 日经社説 20150517 「金メダル庁」では情けない